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淫魔の香気 3話

 目が覚めた。
 ぼやける視界に、煌びやかな装飾が目に入ってきた。

「……」

 一瞬どこだかわからなかったが、すぐに思い出した。
 エルミアの寝室だろう。

 俺は最高の快楽と引き替えに、彼女を淫魔にしてしまったのだ。
 いったいこれから、俺も彼女もどうなるのだろうか……。

 考えてもわからない、頭が上手く働かず思考が鈍っている気がする。
 それから、身体全体に感じるこの違和感。
 今寝ているベッドやこの部屋が一回り大きく感じられ、身体も軽い気がする。

 俺は…………。
 なぜか自分の事を“俺”と言うのが気恥ずかしい感じで落ち着かない……。

 僕は自分の身体を見回してみた。
 自由に動くし、外傷もないのだが、明らかに今までの見慣れた物ではなかった。
 小さい……。
 まるで、縮んでしまったように感じる。
 いや、これは確実に小さくなっている。
 さっき感じた違和感は自分が小さくなったことによるものなのだろう。

 ばかな……!
 そんな事があるはずがない!
 ベッドの上で上半身を起こして今一度自分の事をよく観察した。
 さっきまで身につけていたはずの服はぶかぶかで、少し筋肉が付いていたはずの腕も華奢な少女のような物になっている。
 ズボンの中の自分の一物も確認した。
 ……大事な部分に毛が無い。
 明らかにサイズも小さくなっている。
 ここまでみれば、自分が小さくなったと言うのはもう否定のしようが無い事実だった。

 なぜこんな事になっているのか?
 誰がこんな事をしたのか?
 考えられるのはエルミアさんが何かしたと言うことだけだった。

 思考を巡らせていると、この部屋の扉が開く音がした。
 視線を移すと、緑と白の胸の部分が大きく開かれたシースルードレスに身を包んだエルミアさんが居た。
 目が合うと、彼女は満面に喜びの表情を浮かべ足早に僕のベッドへと近づいてきた。
 歩く度に、たゆんたゆんと揺れ動くおっぱいに目が釘付けになる。
 その姿を見て自分の顔が紅潮していくのがわかった。
 僕は淫魔ハンターであるはずなのに、これではまるで女性に耐性がないうぶな少年の反応だ……。

 エルミアさんはそのままベッドの上に乗ってきた。
 大きい……。
 互いにベッドの上に座っているのに、彼女の方が自分より頭一つ分大きい。
 彼女は僕をじいっと見据えたまま微動だにしない。

「エルミア……さん?」

 不安を隠せず、下から彼女を見上げるようにしておそるおそる訊いた。

「ア、アレク君っ……!!」

 とたんエルミアさんはそう僕の名前を呼び、頭を両手で抱えるとその大きな胸の中に包みこんだ。

「う、うむぅ――!」

 おっぱいの間に自分の顔面が挟まれ、柔らかい感触と共に彼女の匂いをいっぱい吸わされる。

「アレク君……かわいすぎます! …………食べたい、あぁ食べてしまいたいです!」

 エルミアさんは恐ろしい譫言を呟きながら目一杯おっぱいを押しつけてくる。
 彼女の力が強すぎて息を吸うのがやっとで抱擁を解くこともできない。

 なすがままにされ、酸欠で気を失いそうになってようやく彼女は胸から解放した。

「ご、ごめんなさい……私、アレク君がかわいすぎて自分を失っていました」

「エルミアさん……これはいったい? 僕の身体をどうしたんですか?」

 エルミアさんはまだ僕の身体を完全には離してくれていない。
 彼女の両腕の中から、見上げるようにして尋ねた。
 すると彼女は、にやっとした笑みを浮かべた。

「アレク君……もう気が付いたかと思いますが、あなたの身体を少年時代まで若返らせました」

 やはり、エルミアさんの仕業だった。

「な、なんでそんな事を?」 

「忘れちゃったんですか? 私とあなたが出会ったのはその時代なんです。私に取って少年時代のアレク君は初恋の人で、それに生涯結ばれたいと思っていた理想の人でもあるんです。だから禁術を使いました。もうこれからアレク君が歳を取ることはありません。私達エルフや妖精達と同じ時間を死ぬまで一緒に過ごして貰います」

「そんな勝手な……」

「……アレク君は淫魔ハンターなのに私より早くイってしまいましたよね? 敗北は服従を意味するはずでは?」

「それは……」

 エルミアさんにそう言われれば、僕は言い返すことは出来なかった。
 淫魔との戦いで敗北すると、その淫魔に一生服従する呪いがかかる。
 いくら命令に背こうとしても、その呪いには絶対に逆らえない。
 負けた淫魔ハンターが一生淫魔の性奴隷になる、なんて事も少なくないのだ。
 この世界の掟みたいなものだった。

 エルミアさんはいくら淫魔の卵とはいえ、淫魔であることにかわりはなかった。
 だから彼女より先にイき敗北した僕はもう逆らえないのだ。

「うぅ……」

 自分の情けなさと、彼女を救えなかったと言う悔しさに感情が抑えきれず目に涙が溢れてきた。

「ア、アレク君……!」

 エルミアさんはそんな僕をすぐに抱きしめた。
 それはまるで泣いている息子をあやす母親のようだった。

「そんな顔しないで下さい……もう淫魔と戦う必要も無いんです。私とずっと一緒にいましょう……」

 彼女の体温は僕の心を落ち着けていくようだった。
 この人の元で一生過ごすのも悪くないかもしれないと思った。

「アレク君がいっぱい気持ち良くなって幸せになれるようにしてあげますから」

 しかし、やはり彼女は淫魔だった。
 おっぱいの間から見たその表情には、母親が息子に決して見せることはない肉欲の色が浮かんでいた。

 また扉が開いた。
 複数の人がこの部屋に入ってくる気配がする。
 とっさに彼女を突き放し、そちらを見やった。

 そこには僕がここに来るまでにイかせたはずの、ダークエルフ、ドライアド、エルフィンのお姉さん達が僕を見据えて立っていた。

「あら、ずいぶんとかわいらしくなってしまったのね……。まぁそっちの姿も私の好みだけど」

「か、かわいい……。木の根で縛り上げたい」

「うふふ、さっきいかせてくれた分今度は私がいっぱい気持ち良くして差し上げますから覚悟して下さいね?」

 彼女達はまだ本格的な淫魔にはなってはいないようだが、言動を見るにそれ並みに発情している。

「もう……アレク君。私を突き放すなんてひどいですね。でも、いくら突き放そうとももうずっとあなたの近くから離れませんよ」

 唖然としている僕の身体を、エルミアさんが後ろから捕まえた。
 今度は後頭部がおっぱいの谷間に包まれた。
 胸の前で交差された腕は、力強く僕のことを押さえている。

「……! エルミアさんこれはどういうことですか!?」

 とっさに訊いた。

「彼女達は私の友人達です。あなたを捕らえるのに協力して貰いました。そして……アレク君の淫魔になりたがっている人たちでもあるんですよ」

「そうよ……坊や、さっきは私にお預けするんですもの……早く私の中に精液をちょうだい」

「おっぱいとお腹にいっぱいかけて貰うのも気持ち良かったですけど、やっぱり中に出して貰うのが一番素敵ですものね」

 皆、口々に好きなことを言っている。
 エルミアさんは彼女達も淫魔にしろというのだろうか?

「エルミアさん……さっき僕に、もう淫魔と戦う必要は無いって言ったじゃないですか……?」

 彼女の言葉を思い出して質問した。

「確かにそう言いました……。なぜならもうアレク君と私達とでは“勝負”にならないんですから……」

 エルミアさんがそう言うと、みなくすくすと笑った。
 そして「だからもう戦う必要はないんですよ」と言った。

 その言葉に僕は少しむっとなった。
 勝負にならないとまで言われては、今まで淫魔ハンターをしていた身からすれば納得出来ない。
 彼女が服従の呪いを使い負けさせるような命令を下せばそうなるかもしれないが、彼女達は僕自身の実力が取るに足らないものだと見なしているように思える。
 それにぎりぎりだったといえど、3人には一度勝っているのだ。
 するとエルミアさんがこんな提案をしてきた。

「もし、今からアレク君が自分がイくよりも先に1人でもいかせることが出来たらこの場所からあなたを解放し、呪いも解いてあげます」

「……!」

 それは突然のチャンスだった。

「エルミア、そんな約束していいの?」

「ええ、必死になって頑張るアレク君もきっとカワイイですから」

「確かにそうね。じゃあ坊や……最初は私を相手にしてくれるかしら?」

 ダークエルフさんがそう言い、他の2人もベッドの上に乗ってきた。

「アレク君頑張ってくださいね」

 エルミアさんは僕を拘束から解放した。

「ふふ、坊やに有利な体勢でやらせてあげるわ……。さあ後ろから私を存分に犯しなさい」

 ダークエルフさんは服を取り去ると僕の方にお尻を突き出して四つん這いになった。
 しめた……。
 エルミアさんは僕に不利になるような命令はしてこないし、ダークエルフさんも油断しきっている。
 何とかなるかもしれない。

 僕はぶかぶかの自分の服をするっと脱ぎ、全裸になった。
 見るからに頼りない華奢な身体が露わになる。
 エルミアさん達はそんな僕の身体を見てうっとりとしていた。

 ダークエルフさんの近くに移動する。

「……っ」

 近くで彼女の身体を見て思わず息を呑んだ。
 自分が小さくなったことにより、彼女の豊満なボディがいっそう魅力的に映る。
 肉感的なお尻は僕の2周りほど大きく、重力に従って下を向いているおっぱいも見える。
 うっすらと汗ばんだ褐色の肌がいやらしくてかりをおび、下着は既に愛液に滲んでいた。

 その様子を見ているだけで自分のペニスがぴくぴくと反応し勃起していった。

「ふふ、アレク君早くそのかわいいおちんちんで貫いてあげないと可哀想ですよ?」

「坊や……私のおまんこに挿れてぐちゃぐちゃにして……」

 僕は周りにながされるようにして、ダークエルフさんの下着をゆっくり脱がした。
 目の前に毛の生えていない、涎まみれの肉の割れ目が露わになった。
 物欲しそうに時々ぴくぴく動き、愛液をふとももの方まで滴らせている。
 それを見た自分の興奮は、以前の比ではなかった。
 まるで生の女性器を初めて見た時のような感覚だ。
 小さくされたことにより、これまでの淫魔ハンターとしての経験値も全部退行していったのだとその時わかった。
 精神も身体の方もおそらくまるで耐性がないのだろう。
 こんな状態で、小さくされる前にぎりぎりの戦いをしていた彼女達を相手にしたらどうなってしまうのかは目に見えていた。
 今なら彼女達が勝負にならないと余裕の笑みをしていた事も納得出来た。

 でもここまで来たら引くに引けない。
 実力だけで考えれば結果は分かりきっているかもしれないが、彼女達は油断をしているし、僕は一度戦い彼女達の弱点を把握している。
 それにもう2度とこんなチャンスはないかもしれない。

 僕は覚悟をきめダークエルフさんのお尻に片手を置き、自分のモノをあてがった。
 くちゅりと愛液が音を立て彼女の体温を感じる。

「あぁんっ……感じるわ坊やのモノを……」

「うっ……」

 まだ入り口に触れただけなのだが、体温とぬるぬるの液が僕に未知の刺激を送ってきた。
 ペニスがびくっと震える。
 ここに挿れたら終わりだというのは火を見るよりも明らかだが、挿れたいという誘惑に勝てない。
 弱くなった精神が、快楽を感じたいと思う僕の心が、身体を突き動かしていく。
 亀頭が入り口に入ると、僕はそのままずぶずぶとダークエルフさんの奥まで挿入してしまった。

「あっ、やっと入ってきたぁ……んっ坊やのおちんちん……」

 彼女は甘い声を上げた。

「どうですかアレク君……彼女の中は? はやく私と同じ淫魔にしてあげて下さいね」

 エルミアさんが僕の事をのぞき込みながら言った。
 他の2人もベッドの中央でダークエルフさんと繋がった僕をみながらくすくす笑っている。

「うぅぁっ……きもちいぃ……!」 

 僕はうめき声を上げ快感に翻弄されていた。

 自分のペニスは小さくなったはずなのに、ダークエルフさんの膣はそれに形を合わせるようにぴったりと肉を吸い付かせ、それどころかきゅうきゅうと締め付けてくる。
 そして暖かい体温とぬるぬるの感触が動かなくても、僕を絶頂へ向けて進ませていく。
 このままではこちらが消費するだけだ。
 そう思い、反動を覚悟でゆっくりと腰を動かしてみた。

 彼女の張りのあるお尻の上に手を置き、引き抜く方へ動かす。
 中でいくつもあるひだが、竿を亀頭を舐め上げるように擦ってくる。
 奥へ挿れるとまた同じようにそれが刺激を与え、もっと奥へとペニスを引き込むように蠢く。

「くぅ、こんなの……!」

 耐えれるわけがない。

「んんっ、あっ……あっ」

 ダークエルフさんも感じているようだが、圧倒的に僕への快感のが多いに決まっている。
 しかし攻めあげる様に腰を振ることも出来ない。

「ふふ、かわいいですよアレク君、快感を必死に耐えているお顔が……」

「ああ、うらやましいわ……」

「そうですわね。とっても気持ちよさそうですもの……」 

 僕達の様子を周りで見ている彼女達が呟く。

「くそう……っ!」

 僕はダークエルフさんの弱点であるおっぱいを攻めるため、彼女に覆い被さり一生懸命腕を伸ばしておっぱいを掴んだ。 

「ふぁっ……いいわ坊や……もっと、好きなだけおっぱいもおまんこも味わっていいのよ」

 彼女は喜び媚声を上げた。
 彼女のボリュームのあるおっぱいの肉は、とてもじゃないが自分の手では掴みきれない。
 手のひらに乗せるように掴んだそれをむにむにと揉む。
 おっぱいは波打つようにたぷたぷと揺れ動いていた。

「はぁっ……! はぁっ……!」

 失敗だった。
 自分の頭の中には魅力的なおっぱいの感触が刻まれ、息が詰まるほどに興奮をあおる。
 もう何が何だかわからない。
 僕は自分の制御をうしなって思わず彼女のおっぱいを力強く掴んでしまった。 

「ひゃあんっ……!」

 その瞬間ダークエルフさんがかわいらしい声を上げ、それに合わせて膣の中がきゅうっと絞まった。

「ひっ……ぁっ!」

 彼女の中で嫐なぶられた自分のペニスから、射精とも思える感覚と共に我慢汁が飛び出た。

「だ、ダメっ、だめぇっ!!」

 もう耐えれないと感じ身体を起こし、反射的に彼女の中からペニスを引き抜こうとした。

 むにぃ――

 しかしそれは何かによって阻止された。

「だめですよー。おちんちんを抜くのはいけません」

 僕の後ろにはいつの間にか裸になったエルフィンさんがいたのだ。
 彼女は背後から脇の間に手を入れると、生のおっぱいを背中に押し当て体重を押しつけてくる。
 そうされると引き抜く途中だったペニスがまたダークエルフさんの膣の中に戻された。

「は、はなしてくださいっ!」

「うふふ、やです。精液が出そうなら出してしまえばいいんです。彼女もそれを望んでいるのですから」

 エルフィンさんは暴れる僕の身体を簡単に押さえながら、耳元で囁いた。
 そして、後ろから僕を抱え強制的に腰を振らせ始めた。

 ぬちゅ、ぬちゅ――

 そのせいで激しくペニスがダークエルフさんの中に出たり入ったりする。
 自分のペースで行えないことで、予想外の方向から快感が襲いかかる。

「うぁぁ……んっ、んん!」

 僕を後ろから包みこみ柔らかいおっぱいを押し当てるエルフィンさん。
 ペニスを受け入れ、お尻を揺らして求めるように押しつけてくるダークエルフさん。
 耐えるなどという考えも吹き飛んだ。

「だ、だめ、……いく、い……イクぅっ――!!」

 どぴゅどぴゅどぴゅぅ――!!

 ダークエルフさんの中に僕の敗北の証がたっぷりと注がれていく。
 彼女を淫魔にする精液が、膣内で震え暴れ回るペニスの先から次々に出て行く。

「あぁっ、ああぁんっ……いい! 精液が中で出てるのが気持ちいい!」

 ダークエルフさんはそれを感じ取ったのか、ひときわ激しい嬌声を上げながら精液を享受していた。

「もっといっぱい注いであげてください」

 エルフィンさんは、腰が砕け立っていることがままならない僕の身体を支えながらもっと出させるようにダークエルフさんのお尻へと押しつける。
 それのせいで僕はダークエルフさんの腰を掴んだ状態で、膣の最奥に射精させられた。

 尿道にある一滴まで出し切るとようやく、エルフィンさんは僕を解放してくれた。
 力を失った僕は、そのままベッドに倒れ込んだ。
 ダークエルフさんも事切れたようにベッドに横になっていた。

「じゃあ私の番ね……」

 そして、今度は仰向けになった僕の身体をドライアドさんが跨いだのだった。
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